鳴る警報音、迫る電車 取り残された高齢男性 先生は決断した

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古畑航希 鈴木優香
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 警報音とともに遮断機が閉まった踏切内に、自転車を押した高齢男性が。見ていた中学校の先生が声をかけた。「危ないよ」。男性の歩みはなかなか進まない。電車が近づいてきた。先生は決断した。

 福岡県大野城市の中学校教諭佐々木司さん(58)は4月15日午後2時40分ごろ、出張で乗用車を運転中、春日市のJR鹿児島線天田踏切にさしかかった。遮断機が下り、電車の通過を待った。

 ふと踏切内を見ると、電動自転車を押して歩く高齢男性が。渡り切れず、目の前の遮断機の手前で閉じ込められてしまった。男性はまだ遮断機が下りていない対向車線側に向かったが、ほどなくその遮断機も閉じた。

 「おじいちゃん、出らんと。列車来て危ないよ」

 車から降りて声をかけたが、返事はない。男性の表情からは焦りが伝わってきた。

 踏切の警報音が鳴り響くなか、博多行きの快速電車が「ファーン」と警笛を鳴らして近づいてきた。

 「これはまずい」。佐々木さ…

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この記事を書いた人
古畑航希
ネットワーク報道本部(東京)
専門・関心分野
自然環境、災害、平和