亡き妻のため造ったバラ園、いつの間にか名所に 「今年も咲いたよ」
平塚学
宮崎県串間市の野辺保雄さん(71)は、2015年の春、実家近くの市道沿いでバラの栽培を始めた。バラが好きだった妻の敬子さんのためだった。
鹿児島との県境に近い宮崎県最南端の串間市秋山地区。山あいのバラ園では、小川のせせらぎとウグイスの鳴き声が響く。毎年5月になると、1300平方メートルの敷地に1万本を超える色とりどりのバラの花が咲く。
最初は自宅での栽培だった。世話をすればするほどきれいな花を咲かせるバラ。敬子さんが大好きな花だった。庭いじりは週末の楽しみになっていた。
13年12月、敬子さんに卵巣がんが見つかった。すでにかなり進行し、入院と通院を繰り返す日々が始まった。保雄さんは闘病する敬子さんを励ますため、大輪のバラで退院を迎えようと考えた。
市の許可をもらい、自分の実…
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