東大寺の液体被害、除去作業 完全には汚れ落ちず 巡回など警備強化
米田千佐子
世界遺産・東大寺(奈良市)の国宝・大仏殿で16日、液体のようなものがかけられた汚れを除去する作業があった。汚れは完全には落ちないといい、寺は一層警備を強化する。
除去作業には、国宝修理装潢師(そうこうし)連盟(京都市)の技術者があたった。水を含ませた筆で汚れをなぞって浮かせ、吸水紙で汚れと水を吸い取る。汚れをじっくり見つめ、筆の感触を確かめながら慎重に水を含ませる。指をゆっくりと吸水紙に押し当て、水で浮かせた汚れを取っていった。汚れを取る作業と、乾かす作業を繰り返し、最後に胡粉(ごふん)を表面になでつけ、周囲と色をなじませる。内部に染み込んだ汚れは取れないといい、数週間後に状態を確認する。
汚れは2カ所で、4月14日…