【詳報】ウクライナ侵攻21、5月18~23日(日本時間)の動き

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 ロシアがウクライナに侵攻してから、間もなく3カ月になろうとしています。ロシア国防省は、長くウクライナ兵の抵抗が続いていた南東部の拠点都市マリウポリの完全制圧を宣言しました。一方、東部での戦闘はやむことなく続き、日々、命が失われています。

(タイムスタンプは日本時間。括弧内は現地時間)

■■■5月23日(日本時間)■■■

20:40(キーウ14:40)

「プーチン氏暗殺計画があった」ウクライナ情報部門幹部 約2カ月前、「成功しなかった」

 ウクライナ国防省の情報部門幹部が、ロシアのウクライナ侵攻後、ロシアのプーチン大統領に対する暗殺計画があったと主張した。ウクライナメディアが23日、伝えた。約2カ月前に計画されたが、成功しなかったという。「公表されていないが、実際にあった」と主張している。

20:38(ジュネーブ13:38)

スイスのロシア外交官が辞職 自国のウクライナ侵攻に抗議

 国際人権団体のUNウォッチ(本部スイス・ジュネーブ)は23日、ジュネーブで現地の国連機関を担当するロシアの外交官が自国のウクライナ侵攻に抗議して辞職し、亡命したと発表した。在ジュネーブ国連代表部のボリス・ボンダレフ参事官で、侵攻以降に亡命した最も高位のロシア外交官だとしている。

 UNウォッチによると、ボンダレフ氏はジュネーブにいる外交官たちに宛てた声明で、「(外交官としての)20年間、わが国の外交政策の様々な展開を見てきたが、(ロシアがウクライナに侵攻した)2月24日ほど母国を恥じたことはない」と記した。

 さらに、「プーチン(大統領)が仕掛けた侵略戦争は、ウクライナ国民に対する犯罪というだけでなく、おそらくロシア国民に対する最も重大な犯罪だ」と指弾。ロシア国内で広まっている、戦争への支持を表す「Z」の字を引き合いに出し、「戦争は我が国の民主主義に対する希望をZの字で塗りつぶしている」とも指摘した。

19:10(ダボス12:10)

ウクライナ北部チェルニヒウ州で87人の遺体確認 ゼレンスキー氏が報告

 ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)でビデオ演説し、ロシア軍が17日に行った空襲により、北部チェルニヒウ州デスナで87人が死亡したと明らかにした。ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」が報じた。

 ゼレンスキー氏は、23日に被害の確認作業を終えた結果、がれきの下から87人の遺体を発見したと報告。「ウクライナの未来にこの人たちはいない」と非難したという。

 ウクライナ・プラウダによると、この空襲による被害についてウクライナ当局は17日時点で死者11人、負傷者14人としていた。その後、確認作業が進むにつれて新たに遺体が発見されたとみられる。

18:55(キーウ12:55)

初の戦争犯罪裁判、21歳のロシア兵に終身刑を宣告

 ウクライナ侵攻中に民間人男性を殺害したとして、戦争犯罪として初めて起訴されているロシア兵に対し、ウクライナの首都キーウの裁判所は23日、終身刑の判決を言い渡した。ロイター通信などが伝えた。

 英BBCなどによると、被告はロシア西部モスクワ州の戦車隊の指揮官だったワジム・シシマリン軍曹(21)。2月28日、ウクライナ北東部スーミ州の村の路上で、住民のオレクサンドル・シェリポフさん(62)を射殺したとして裁判にかけられていた。

 検察側の主張では、シシマリン被告は殺害に先立ち、ほかの4人のロシア軍人と共に、ウクライナ軍の砲撃から逃れるために車を奪った。その後、車で現場の村に入り、自転車に乗りながら携帯電話で話しているシェリポフさんに遭遇。シェリポフさんが被告らの存在をウクライナ軍に知らせようとしていると感じた同僚の軍人から、殺害を命じられ、被告が銃で男性の頭を数回撃ち、殺害したという。検察側は被告に終身刑を求刑していた。

17:50(モスクワ11:50)

アゾフスターリ製鉄所にいたウクライナ兵、「国際法廷」で裁判にかける計画 親ロシア派組織幹部

 ウクライナ南東部マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」で抗戦を続けた後、「ドネツク人民共和国」を名乗る親ロシア派組織の支配地域に移送されたウクライナ兵について、同組織の幹部は23日、自らの支配地域内に「国際法廷」を設けて裁判にかける計画を明らかにした。ロシアのインタファクス通信が伝えた。

 「ドネツク人民共和国」の首長を名乗るデニス・プシーリン氏は23日、インタファクス通信に、アゾフスターリから出たウクライナ兵の全員を支配下に置いたと主張。兵士を裁く「国際法廷」の規約を検討しているところだという。

 ロシア大統領府のペスコフ報道官は23日、アゾフスターリにいた兵士をウクライナ側にいるロシア兵の捕虜と交換する可能性を記者団から問われたが、「軍が対応しているので答えられない」と回答を避けた。一方、ロシアのルデンコ外務次官は同日、記者団からの同様の質問に「私の権限外だが、おそらく全てが議論されている」と述べ、捕虜交換に応じる可能性を否定しなかった。

13:50(ロンドン05:50)

ロシア軍、ウクライナ侵攻3カ月で9年間のアフガン侵攻に相当する死者数か 英国防省

 英国防省は23日、ウクライナの戦況をめぐり、ロシアが2月24日のウクライナ侵攻開始以降、3カ月の間に出した自国兵士の死者数が、旧ソ連が9年間のアフガニスタン侵攻で出した死者数に相当する可能性が高いと、SNSに発表した。

 英国防省はウクライナ侵攻におけるロシア軍の軍事行動について、「貧弱で低レベルな戦術と限られた空中援護態勢、柔軟性の欠如」などが死傷率の高さにつながっていると指摘。「ロシア国民は自国民の犠牲に敏感だ」とし、「犠牲者が増え続ければ、戦争への国民の不満を声にする意思が高まる可能性がある」とも主張した。

 ロシア軍の死者数について、ウクライナ軍は22日時点で2万9千人と主張。英国防省は4月25日時点で1万5千人と推定している。ロシア国防省は3月25日に1351人と発表して以降、新たな数字は発表していない。

 旧ソ連は1979年末、アフガニスタンの親ソ派政権に反対する勢力を抑え込むため、同国に軍事介入したが、88年から89年にかけて撤退した。旧ソ連軍の死者数は1万5千人程度とされる。

03:35(キーウ22日21:35)

マリウポリ市民300人以上、近郊に「連行」か 市長顧問が明かす

 ロシア国防省が「完全制圧」を宣言したウクライナ南東部の拠点都市マリウポリについて、同市のアンドリュシチェンコ市長顧問は22日、市民313人が21日に近郊の「選別キャンプ」に連行された、とSNSで伝えた。子ども55人が含まれているという。

 アンドリュシチェンコ氏によると、このうちの多くがロシアに連行されたという。同氏は、ロシア軍による、こうした市民の連行が本格化している、と主張している。

02:00(キーウ22日20:00)

ゼレンスキー氏「命落とした息子を持つ親に、この請願書を示せるのか」

 ウクライナのゼレンスキー大…

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