北九州中心部に「砂津長浜トンネル」開通 JRをくぐり2国道結ぶ
遠山武
JR鹿児島線を挟んで並行する国道3号と国道199号を地下で結ぶ北九州市小倉北区の「砂津長浜トンネル」が開通し、17日、供用開始した。市中心部の渋滞緩和と物流の効率化が期待される。難工事のため、当初の想定より5年ほど遅い開通となった。
開通したのは都市計画道路「砂津長浜線」で、国道3号側の砂津地区、国道199号側の長浜町地区を南北に結ぶ長さ540メートル(トンネル部分310メートル)。片側2車線で、新幹線の高架基礎部分を避けるため上下線が分離。並行して人道トンネルも設けられたが、地上開口部の整備が終わる2024年度から通れるようになる。総事業費は約340億円。
市街路課によると、現場は線路と道路が複雑に絡むことから、通常とは異なるURT工法と呼ばれる工法を採用。事業は1999年度に着手し、用地買収を経て2004年度に着工した。「予想以上に軟弱な地盤で、国道の車線付け替えや、地下のライフライン移設などに時間を要した」と担当者。供用開始は当初、遅くとも17年度とされたが、大幅に遅れた。
開通記念式典で北橋健治市長は「23年の歳月を経て開通した。市の広域道路ネットワークが一層強化され、交通が便利になる。物流環境にいい影響を与えると思う」と述べた。