「出産費用を下げて」だけではリスクも 複雑に絡む産科医療の事情

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聞き手・中井なつみ
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 出産にあたり、健康保険などから42万円が支給されている「出産育児一時金」の引き上げが検討されています。産婦人科医の宋(ソン)美玄(ミヒョン)さんは「自己負担を下げたい思いには共感するが、その方法には丁寧な議論が必要だ」と指摘しています。

 ――現状の出産費用について、どう考えていますか?

 出産にかかるお金は、都市部を中心に高額化していることは事実です。総額から42万円を差し引いた自己負担額が数十万円を超える、というケースも珍しくありません。

 私自身も、当事者として「こんなに高いの?」と驚いた経験もあるくらいです。

 ――どのくらいの負担だったのですか。

 無痛分娩(ぶんべん)や帝王切開などの処置はしませんでしたが、請求額は70万円を超えていました。

 その立場からも、自己負担を減らして欲しいという声があることについては、とても共感しています。ただ、その方法についてはしっかり議論が必要だと思っています。

 ――一時金を引き上げるだけでは不十分、ということでしょうか?

 そう思います。なぜなら、一…

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