国連はもう限界なのか 世界秩序の3つの分かれ道と日本ができること

有料記事2.24後の世界で

聞き手・池田伸壹

高須幸雄さん|元国連大使・元国連事務次長

 ウクライナ情勢をめぐって国連の機能不全が指摘されている。日本の外交官として、また国連幹部として、長く国連の現場に身を置いてきた高須幸雄さんは、国連の存在意義が問われているとして、かつてない危機感を抱いている。世界は規範性を取り戻すことができるのか。そして、日本はそのために何ができるのかを聞いた。

たかす・ゆきお

1946年生まれ。外務省で国連政策課長、国連改革担当大使、国際社会協力部長、国連大使など、国連事務局で財務官、事務次長、事務総長特別顧問などを歴任。NPO法人「人間の安全保障」フォーラム理事長。共編著に「日本と国連の50年」。編著に「全国データ SDGsと日本」。

 ――ロシアによるウクライナ侵攻で、国連は十分な手を打てていないように見えます。

ここから続き

 「何十年も国連に関わってき…

この記事は有料記事です。残り5447文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    沢村亙
    (朝日新聞論説主幹代理=国際政治、社会)
    2022年5月13日9時44分 投稿
    【視点】

     「常任理事国は国際平和の守り神。国際紛争を平和的に解決するという国連創設の原則を守る重い責任があるはず」という高須さんの指摘。この「はず」の2文字が、混迷の根源を象徴的に示している。拒否権という「特権」を付与されたかわりに重い責任を負わさ

    …続きを読む
ウクライナ情勢 最新ニュース

ウクライナ情勢 最新ニュース

ロシアのウクライナ侵攻に関する最新のニュース、国際社会の動向、経済への影響などを、わかりやすくお伝えします。[もっと見る]