新幹線も観光地もにぎわい戻るGW コロナ後で最多に
【石川】JR西日本金沢支社は9日、ゴールデンウィーク(4月28日~5月8日)の利用状況を発表した。北陸新幹線と特急の利用者数は計50万5千人。昨年の同期間の2・9倍に増え、コロナ禍の影響を受け始めた2020年以降で最多となった。
北陸新幹線は26万人で昨年の2・7倍。指定席・自由席合計の乗車率が最も高かったのは5日の上りのはくたか566号で、117%だった。ただ、10連休になった19年ではなく、曜日の並びが今年と似ている18年と比べると、82%の回復にとどまった。
特急のうち、京都や大阪方面と結ぶ「サンダーバード」は17万6千人で昨年の3・5倍だった。米原や名古屋方面と結ぶ「しらさぎ」は6万9千人で2・5倍に増えた。だが、いずれも18年の7割台。担当者は「行動制限がなく、天候に恵まれたのがプラスに影響した。完全に戻るには少し時間がかかるが、感染防止対策を続けたい」と話す。
インバウンド客が期待できないため、観光地もコロナ前の水準に届かないものの、この3年間では最高の人出だった。金沢市の兼六園は8日までの10日間に11万人で、昨年の3・8倍。1日あたりの平均でも2・6倍に増えた。
富山県の立山黒部アルペンルートには同期間、昨年の2・2倍の4万9千人が訪れた。うち富山側からは54%の2万7千人だった。
ソフトバンクの子会社アグープのデータを使い、金沢市の繁華街・片町で3~5日の人出を分析すると、昨年の1・6倍、20年の4倍だった。日常が戻りつつあることがうかがえる。
福井も含めた北陸3県で5日まで開かれたクラシックの祭典「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」も盛況だった。8日間の来場者は7万1千人で、昨年の3倍に増えた。