年収400万円未満の6割超「週休3日不可能」 800万円以上は?

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橋本拓樹 佐藤英彬 益田暢子
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 コロナ禍を受けて柔軟な働き方が広がる一方で、出勤して定時で仕事をしなければいけない職場も多い。

 マイナビ転職が昨年12月に正社員800人を対象にネットで実施した調査によると、いまの職場で週休3日が可能か尋ねたところ、回答者のうち6割が「不可能」「どちらかといえば不可能」と答えた。こうした回答は小売りや運輸、介護といった職種でめだつ。エッセンシャルワーカーとして暮らしを支えている人たちだ。

 年収別では400万円未満で不可能が6割を超えた。800万円以上では可能と不可能がほぼ半々で差が大きい。マイナビ転職編集部の担当者は「高年収者の方が業務量や仕事の進め方を自分で調整できる職業が多く、週休3日制にも積極的なのではないか」と話す。

テレワーク導入5%を下回る職業は

 こうした差はテレワークの導入率にも表れる。パーソル総合研究所の今年2月の調査によると、テレワークの実施率は、IT関連や企画職、コンサルタントなどの職種で5割を超えた。だが建築や製造作業員、介護職員や幼稚園教諭・保育士などでは5%を下回る。テレワークをしていないと答えた人の半数近くが「テレワークで行える業務ではない」と答えた。

 スーパーや百貨店といった小売業も柔軟な働き方の実現は簡単ではない。あるスーパーの関係者も「小売業は店舗中心だ。一般の人の休みにあたる週末は繁忙期になる」とし、週休3日制の導入は現実的ではないという。

 こうした柔軟な働き方がしにくい職場は人手不足が深刻で、交互に休むこともままならないところもある。ワーク・ライフ・バランスを重視して仕事選びをする人が増えるなか、採用も難しくなっている。

正月三が日は休むスーパー・営業短縮の百貨店も

 小売業では変化の動きもある…

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    常見陽平
    (千葉商科大学准教授・働き方評論家)
    2022年5月7日7時59分 投稿
    【解説】

    ■週休3日制があぶり出す休み方格差を直視せよ!  学生、労働者、市民諸君!橋本拓樹、佐藤英彬、益田暢子という朝日新聞のサンバルカンが勇躍決起し、週休3日制がはらむ問題を完膚なきまでに暴き出してくれた。この記事を武器とし、この欺瞞性、瞞着性

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