奈良・大安寺周辺が新たな玄関口に? 新駅・ICが開業予定
オシドリの「はなくいどり」は朝日新聞奈良総局の公式キャラクター。正倉院宝物にも描かれた吉祥文様です。花をくわえて、最新のニュースや身近な話題を求めて県内を飛び回ります。
はなくいどり 奈良市の大安寺あたりが、市南部の新たな玄関口になるの?
A 「玄関口」といわれるゆえんは、JR大和路線の奈良駅と郡山駅の間に新駅(同市八条4丁目付近)ができて、すぐ近くに京奈和自動車道(大和北道路)の(仮称)奈良IC(インターチェンジ)もできることだよ。車や電車で多くの人が行き交う交通結節点になるんだ。
周辺は田畑が多くて土地が平坦(へいたん)という特性もある。こうした地の利を最大限に生かそうと、県や市は2015年ごろから、道路整備などを含めたまちづくりの計画を進めているんだ。
は どんな計画なの?
A 4月に公表された「八条・大安寺周辺地区まちづくり基本計画(案)」によると、既存の幹線道路から奈良ICや新駅に通じる広い道路を造り、AIやIoTなどの先端技術を活用する企業や学校を誘致する「新産業創造拠点」(約30ヘクタール)の整備も盛り込まれている。
3月、奈良市は奈良先端科学技術大学院大学(生駒市)や奈良工業高等専門学校(大和郡山市)と産業分野に関する連携協定を結んだんだ。新産業創造拠点にも今後の連携が生かされるそうだよ。
新駅の東側にある南都七大寺の一つ、大安寺の広大な旧境内は保存整備を進める予定で、新産業創造拠点に隣接している。
まちづくりが進んでいけば風景は一変するだろうけれど、地域の歴史や文化、自然が感じられる都市空間という点も重視されているんだ。
は 新駅やICはいつごろできるのかな?
A 基本計画(案)のスケジュールによると、新駅開業は「おおむね10年後」とされているよ。現在、JR西日本が新駅の設置予定場所を含めた約2キロの区間で線路の高架化工事を進めているので、新駅のホームは高架に造られるんだ。
京奈和自動車道の奈良ICができる時期は、今のところ未定。計画案によると、新駅開業のさらに先になるイメージだね。
ICにつながる新たな都市計画道路の建設も予定されていて、産業や観光の活性化、国道24号の混雑緩和も期待されているんだ。早く開通しないかなあ。
は リニア中央新幹線の中間駅は関係あるの?
A 奈良市は「奈良市付近に設置を」と誘致活動を続けているね。八条・大安寺周辺地区は、その候補地の一つなんだ。だけど、リニアがどこを通るかはまだ決まっていないので、中間駅ができる可能性を考えながらまちづくりを進めるそうなんだ。だから、中間駅の検討状況などによっては計画内容を適宜見直すことになっている。
奈良市は5月末まで、基本計画(案)に対する意見を、市民らから募集(https://www.city.nara.lg.jp/soshiki/163/141074.html)しているよ。