自転車でJR木次線沿線めぐり 観光ツアーに合わせて実施
存廃が話題になるJR木次線の利用を促そうと、電動自転車に乗って沿線の観光地などを巡るコースを島根県雲南市観光協会が設けた。島根、広島両県の沿線自治体などの協力で29日から始まる日帰り観光ツアー(来月8日まで)に合わせた取り組みで、ツアー参加者に沿線をより楽しんでもらうのが狙いだ。
市などは「脱炭素」に向けた観光支援の取り組みを進めており、今月初めには第1弾として市内の桜並木を人力車が走った。今回はその第2弾。
コースは観光案内所がある木次駅を発着点に、奥出雲葡萄(ぶどう)園(木次町寺領)で休憩して折り返す約1時間半、約10キロの行程。スマートフォンでQRコードを読み取り、表示される案内に沿って走る。途中では観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」と並走したり、空き地から見送りや撮影したりもできる。
行きは上りが続くが、電動マウンテンバイクを使うため、田園やメタセコイア並木も楽しみながら軽快に走ることができるという。
貸し出しは3台で、日帰り観光ツアーの利用者限定。前日までの予約で2時間まで1台1500円、4時間まで2千円(税込み)。葡萄園のソフトクリームをプレゼントする。
木次線の日帰り観光ツアーは、両県の沿線自治体などで作る利活用推進協議会の観光誘客専門チームが、観光振興策として初めて具体化した。薬湯で知られる亀嵩(かめだけ)温泉の「玉峰山荘」(奥出雲町)の入浴と奥出雲和牛の昼食が付く。補助金の適用で中学生以上4千円、小学生3千円(税込み。小学生未満は無料、食事なし)。県民以外も利用できる。
昼食と入浴以外は自由行動で、木次―備後落合駅間の乗り降りも自由だが、木次駅に午前9時43分着の列車で来ると、昼食時間に都合が良い後続列車まで約2時間あまりあるため、その間を楽しんでもらおうと発案したという。
PRを兼ねた試走会が25日にあり、試走した協会職員の糸賀太郎さん(31)は「列車利用と組み合わせた自然環境にも優しい企画。沿線を並走できるのが魅力で、新緑の中で楽しんでほしい」と体験を呼びかけている。5月1、2日午前10時~午後5時には、無料試乗会が奥出雲葡萄園で予定されている。
問い合わせは自転車が観光案内所(0854・42・9770)、日帰り観光ツアーは日本旅行松江支店(0852・22・0011)へ。