5万円給付金「焼け石に水」 子どもへの集中投資が必要な理由
聞き手・久永隆一
低所得世帯の子どもに1人あたり5万円の給付金を配ることを、政府が決めました。生活が苦しい子どもや保護者への支援活動を通じて、当事者の声を聞き続ける認定NPO法人「キッズドア」理事長の渡辺由美子さんの目にはどう映るのでしょうか。
おむつが買えない
――まず5万円の給付金をどう評価されますか。
夏休み前までに支給を、とずっと言ってきたので良かったです。学校給食がなくなる時期で食費もほかの月よりかかり、クーラーで光熱費も増える時期ですから。2万円や3万円という金額にきざまれなかったのも安心しました。
――5万円で十分でしょうか。
焼け石に水です、もちろん。生活に困っている子育て家庭では、生活費や未払いの光熱費、学校関係のお金に使わざるを得ず、すぐに消えてしまうでしょう。
コロナ禍は2年以上続いています。どの時期にお金が必要かというのはすでに分かりきっていること。それなのに、要望しないと出てこない……。
「保育園が休園になって働けない。子どものおむつを買う余裕もない」。こうした声も届くのが、現実なんです。
子育て家庭の負担は減らせる
子どもも保護者も苦しい状況…