第2回朝青龍は怖いし、部屋は消滅…土俵際の元高見盛がつくった「逃げ道」
構成・鈴木健輔
大相撲の元小結高見盛(45)=現東関親方=と言えば、立ち合い前の独特なルーティン。
大量の塩をまき、胸や顔をパチンパチンたたいて、ほえる。
ギクシャクした動きから「ロボコップ」とも親しまれた。
怖さをごまかすための策だった。
◇
〈日本大学時代にアマチュア横綱となり、鳴り物入りで角界入りしたのが1999年春場所。スピード出世し、幕内2場所目だった翌年秋場所で、右ひざの靱帯(じんたい)を断裂した。長期休場とリハビリを経て、1年半かけ、幕内に戻ってきた〉
取組前のルーティンを始めたのは、右ひざを大けがした後。恐怖心を取っ払えないかと思ったんです。
十両優勝して、再入幕しました。少しは自信がわいていたんですが、やっぱり土俵に立つのが怖かった。
ゾワッと来るんです。
最後の仕切り前、行司さんの言葉を聞くときです。
「時間いっぱいです」
右足が自分のものじゃないと…
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