肥薩線の復旧に向けた地元市町村の協議開始

長妻昭明
[PR]

 2020年7月の記録的豪雨で被災したJR肥薩線の復旧について、熊本県と地元市町村で話し合う「JR肥薩線再生協議会」の初会合が18日、人吉市で開かれた。鉄道での復旧を目指し、国に財政支援を求めることを確認した。

 県とJR九州、12市町村の首長らが参加し、非公開で行われた。県によると、JR九州が復旧費に約235億円を要することや、運休している八代―吉松間で19年度の営業赤字が約9億円に上ったことなどを報告。地元市町村と県は鉄道での復旧を目指し、復旧費や運行費の支援を国に求めていくことを確認したという。

 今後、国への要望内容や赤字が続いている路線の利用促進策などを話し合う。協議会で出た意見は、県と国、JR九州で作る「JR肥薩線検討会議」に反映される予定。

 会議終了後、田嶋徹副知事は「肥薩線は通勤や通学、観光を支える重要な路線。ただ、脆弱(ぜいじゃく)な財政基盤の市町村が多い中で、災害復旧費の負担が大きな課題。国の強力な財政支援が大前提なので、国にしっかり訴えていく」と話した。

 肥薩線は、八代駅(八代市)と隼人駅(鹿児島県霧島市)を結ぶ124・2キロ。豪雨で球磨川第一橋梁(きょうりょう)などが流され、約450カ所が被災した。総延長の7割近い八代(熊本)―吉松(鹿児島)間86・8キロが運休している。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません