バスで泣き出した0歳児 じっと見てきたおじさん、空気を変えた一言

有料記事いつも、どこかで

若松真平
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 2017年の4月上旬、こたさんは子ども3人を連れてバスに乗っていた。

 生後8カ月の四男を保育園に迎えに行った帰り道。

 普段は車でお迎えに行くが、この日は白内障の手術を控えてバスを使っていた。

 嫌な予感は的中し、こんな時に限って四男が泣き出してしまった。

 白内障で視野が狭くなっていたこともあり、周りの視線がよくわからない。

 気になったので、頭を動かして周囲を見回してみた。

 左に立っていた男性が、少し眉を上げながら四男をじっと見つめている。

 服装までははっきりわからないが、年齢は50~60代くらい。

 こたさんがとっさに「すいません」と謝ると、男性はこう言った。

 「今日、ちょっと嫌なことがあってさ……」

 あぁ、絶対に怒られる。

 「疲れてるから静かにしてよ!」と言われるのを覚悟した。

 すると男性は、四男に向かっ…

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年4月21日12時22分 投稿
    【視点】

    こんなひと言がとっさに言えるなんて、すてきな大人ですね。 こんな大人に私もなりたい。 まだ子どもが1歳だったころ、国際線の夜間便でずっとぐずっていました。 となりの席には私よりちょっと年上に見える外国人の男性が座っていました。

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    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2022年4月30日15時32分 投稿
    【解説】

    思わず涙腺が緩みました。こんな粋なおじさんがいるんだとうれしくなった。こんな思いやりのある人が増えたらどれだけ住み良い社会になるだろう。それを想像して、心が弾みました。 コロナ禍やウクライナ侵攻など、殺伐としたニュースで埋め尽くされる

    …続きを読む