13歳の仲邑菫、女性最強の藤沢里菜に挑む お腹の中で対局した過去

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大出公二

 男女合わせて囲碁史上最年少のタイトル獲得をめざして、中学2年生の仲邑菫二段(13)が16日午前10時、藤沢里菜女流四冠(23)との第33期女流名人戦三番勝負第2局に臨んだ。第1局を落として後がない挑戦者は、星を五分に戻せるか。倒すべき相手は、幼いころから憧れ、練習碁で数多く鍛えてもらった、女性最強棋士だ。

 まだあどけない少女から勝負師へ。碁盤に向かった仲邑は表情が一変する。時折、盤に伏していた視線を上げて、対局相手を鋭くにらむ。

 対して藤沢は盤上没我。視線を一切上げない。対局開始時の撮影を終えた報道陣が引き揚げると、対局室は石音のみが響いた。

 3月31日、女流名人戦リーグで仲邑が初優勝して挑戦権の獲得を決めたとき、迎え撃つ藤沢は「不思議な感覚。実感がわかない」と話した。

 ふたりの接点は、仲邑が産声を上げる前までさかのぼる。2009年、10歳の藤沢は、アマチュア棋戦でおなかを大きくした囲碁インストラクターの仲邑幸(みゆき)さんと打った。幸さんは間もなく仲邑を出産した。

 翌10年、仲邑が1歳のとき…

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