新緑にはえる白黒の天守閣 地震から6年の今 記者が歩いた熊本城
熊本地震の前震から6年となった14日、熊本城では天守閣や積み直しを待つ石垣などを眺めながら、地元の人や観光客らが復旧に思いをはせていた。クスノキの新緑が白黒の天守閣に映えて美しい。そんな城内を記者が歩いた。
熊本城、少しずつ元の姿に 石垣積み直しに時間「これからが本番」
天守閣の瓦は落ち、足元の石垣も大きく崩れた。2度にわたる大きな揺れが熊本城を直撃した熊本地震から14日で6年。城は新たな技術と工夫を重ね、少しずつ元の姿を取り戻しつつある。
昨春、内部に入れるようになった天守閣は、地震当時、屋根瓦が落ち、石垣が崩れるなどの被害が出た。屋根の軽量化や制震ダンパーの設置など、外観はそのままに、最新技術も取り入れて安全性を高めてきた。天守閣に至る道中には崩れた石垣も見えるが、積み直しのために石材の大きさや形を記録し、元の場所を探るといった調査が進んでいる。
この日、天守閣西側の二の丸広場では、修学旅行に訪れた兵庫県立御影高校の生徒が、天守閣をバックに記念撮影をしていた。森下初花(いちか)さん(3年)は、初めて熊本城を訪れ、改修中の石垣や建物も含めて見学した。「ガイドさんから震災の時の話を聞いたが、実際の震災ではこんなに被害が出たんだと思った」
熊本市内の医療関係者の女性…