鑑真が広めた漢方の知識 奈良・唐招提寺にゆかりの薬草園が復興

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岡田匠
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 鑑真(がんじん)が開いた奈良の世界遺産唐招提寺で、鑑真ゆかりの薬草園の復興が進んでいる。1999年にいったん閉じたが、植えられていた薬草や薬木を岐阜の信者らが引き取り、大切に育ててきた。2年後の完成をめざし、22日から一部の公開を始める。

 鑑真は奈良時代、5度の航海に失敗し、失明しながらも753年に中国の唐から日本へ渡ってきた。仏教の経典や教義、戒律とともに、薬学をはじめとした漢方の知識をもたらしたという。

 民衆の救済に力を注いだ鑑真が薬学も広めていたことを知ってもらおうと、唐招提寺は4年前から復興に取りかかってきた。薬草園は境内の一画に設け、広さは約2240平方メートル。奈良在住のガーデンデザイナーの居場英則さんが設計を担った。アカンサスやキキョウ、ヤマトトウキなど40種、2600株が植えられている。

 中央には、シンボルとして高さ約3メートルのケイカを植えた。鑑真の没後1200年の1963年、中国仏教協会から贈られ、株分けして育ててきた木だ。4月中旬から5月にアジサイに似た白い花を咲かせ、鑑真の故郷の揚州の名花として知られる。揚州を訪れた中国・隋の2代皇帝の煬帝(ようだい)がその美しさに魅せられ、門外不出にしたと伝わる。

 もともと薬草園は、鑑真の生…

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