鉄道天動説に警鐘「負の遺産にも」 青山学院大の福井義高教授
聞き手・箱谷真司
JR西日本が、採算がとれないローカル線の収支を初めて公表した。1キロあたりの1日平均利用者数を表す「輸送密度」が2千人未満の路線だ。苦しい経営状況を自治体や沿線住民に知ってもらい、廃線も含めた議論を深めるねらいがある。人口減が続くなか、鉄道はどうあるべきか。元国鉄職員で、地域交通に詳しい青山学院大学の福井義高教授(会計学)に聞いた。
――不採算の鉄道路線を見直す動きが活発になっています。
「まず前提として、輸送サービスは地域にとって重要です。どんなに人が少ない場所でも水道や電気が必要なのと同じで、最低限は維持しないといけません。ただ、それを担うのは鉄道でなくても良い。いろんな輸送手段があるなかで、どの組み合わせが最適なのか考えるべきです」
――鉄道が廃線になれば、地域社会・経済への影響が大きいのでは。
「地方で人が集まるのは、郊…