第1回「キエフ」が「キーウ」に 地名はどう決まるのか、あの国はあの街は

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 日本政府はウクライナの首都「キエフ」の表記を「キーウ」に変更しました。ロシア語からウクライナ語の発音に近い表記にしたものですが、侵攻を受けての変更を、どうとらえたらよいのでしょうか。

 ヨーロッパ地誌が専門の加賀美雅弘・東京学芸大特任教授(地理学)は「外国地名は現地読みが原則だが、簡単には変えられない事情もある」と言います。背後には国境や言語をめぐるせめぎあいの歴史がありました。

一般に認知されているほど、地名変更は困難

 ――今回の表記の変更をどう受け止めていますか。

 当然の変更だと思います。国際的にも、地名は現地語での呼び方を尊重しましょうというのが原則です。各国の代表らが集まって地名を審議する「国連地名標準化会議」でも、確認されています。

 ウクライナ語を母語とするウクライナ人の国の首都ですから、ウクライナ語の呼び方を尊重すべきでしょう。

 ――外務省は変更の理由を「日本政府としてウクライナとの一層の連帯を示すための行動」としていますが、なぜ日本ではこれまでキエフと呼んでいたのでしょうか。

 ウクライナは長くソビエト連…

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連載「キエフ」から「キーウ」へ 地名は誰のもの?(全3回)

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