グリコ、ビスコ、パピコ…「3文字」で戦った 江崎グリコの100年

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宮川純一 栗林史子
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 「ポッキー」や「アーモンドグリコ」などロングセラーのお菓子を送り出してきた江崎グリコ大阪市)が今年、創立100年を迎えた。少子化や人口減でお菓子の国内市場が縮小するなか、次の100年になにを見据えるのか。

 大阪・梅田の阪急百貨店の食品売り場。ショーケースに並ぶのは高級ポッキー「バトンドール」だ。大学生と高校生の娘2人と訪れた女性は5箱買った。「ちょっとリッチで、それでも手頃な値段。人にもらっておいしかったので」

 地域限定の百貨店向けのブランドショップで、西日本中心に6店舗を展開する。価格は税込み540円からだが、「ここでしか買えない」と人気だ。大衆菓子のイメージを避け、グリコのロゴを使わない。

 1966年に発売されたポッキーは、世界で最も売れているチョコレート菓子だ。米国や中国、東南アジアなど世界30の国と地域で売られ、ギネス社が2019年に世界で約600億円を売り上げたと認定した。2021年10月には、ギネス世界記録チョコレートコーティングされたビスケットブランドの世界売り上げNo.1」に2年連続で認定された。

 同社は、1922(大正11)年に佐賀県出身の江崎利一氏がキャラメル「栄養菓子グリコ」を大阪の百貨店で販売したのが始まりだ。有明海の近くで漁師のカキの煮汁がふきこぼれるのを見て、栄養素グリコーゲンに着目。水あめのように煮詰め、病で弱っていた息子に与えたら回復した、との記録がのこる。「栄養を一番必要とするのは、育ち盛りの子ども」だと、菓子に取り入れたという。

 ただ、当時の人気は森永製菓のキャラメルで、グリコは後発組。カードやメダルなどをつけることで、子どもたちの支持を得て知名度を上げた。

 「グリコ」「ビスコ」「パピコ」――。同社のロングセラー商品には共通点がある。3文字の覚えやすい商品名だ。画数を末広がりの8(八)に合わせた。

 会社の業績が順調に伸びてい…

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