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容疑者が飲んだSDカード、内視鏡で取ったら…前例なき裁判の結論は

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小木雄太 上保晃平
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 盗撮目的で住居侵入した疑いのある男の体内から、マイクロSDカードを内視鏡で強制的に採取する。そんな異例の捜査の是非が争われた刑事裁判があった。これまで実施事例がほとんどなかったとみられるこの手法。裁判所が下した判断とは――。

 2020年3月の千葉地裁判決と昨年10月の東京高裁判決などによると、男は18年3~10月に千葉県内の民家に侵入したとして4件の住居侵入事件で起訴されたほか、最後の1件の逃走時に起こした傷害事件で起訴された。

 男は、最後に起こした18年10月18日の事件の際に現行犯逮捕された。所持していたビデオカメラにマイクロSDカードは入っておらず、千葉県警は男がのみ込んだとみてCT検査を実施。体内にマイクロSDカードのような異物があることが判明した。たびたび下剤を服用させたものの排泄(はいせつ)物からカードは見つからず、検察は他の証拠をもとに、10月18日の事件について11月8日付で起訴した。

 その後も異物は体内にとどまり続け、医師は内視鏡で取り出す手法があることを警察官に伝えた。県警は10月18日の事件の捜査に必要だとして11月26日、内視鏡による強制採取の許可を求める令状を裁判所に請求し、同日、発付された。

カードに記録されていたのは

 その2日後、医師が男に鎮静…

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