「にんげん展」始まる 同和教育の副読本の表紙飾った原画などを展示

小若理恵
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 大阪府内の小中学校で約40年にわたって使われた同和教育の副読本「にんげん」の表紙絵となった原画などを展示する「にんげん展」が26日、大阪市浪速区のJR芦原橋駅高架下にあるアトリエ西浜で始まった。入場無料。4月3日まで(午前10時~午後5時)。

 「にんげん」は、部落解放運動の高まりを受け、1968年に大阪で生まれた。被差別部落の子どもたちの暮らしなどを題材に教員らが研究を重ねた教材で、2008年まで同和教育の副読本として使われた。「原爆の図」で知られる画家の丸木俊(とし)さん(00年没)が描いた子どもの人物画が表紙を飾った。

 会場には、表紙絵の原画10点のほか、被差別部落とかかわりが深いとされる食肉産業に携わる人々の姿を描いた子どもたちの版画作品7点、同和教育が始まった経緯を示す資料などが展示されている。

 主催する大阪市人権・同和教育研究会の河田勝伸さん(69)は「展示を通じて、点数や効率ばかりが重視されるいまの学校教育を見直す機会にしてほしい」と話している。

 関連企画として、大阪市長に学校現場の現状を実名で訴えて注目された大阪市立木川南小学校の久保敬校長の講演(参加費1千円)が4月2日午後2時からある。問い合わせは同研究会(06・7181・0927)。

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