「第6波」で混迷極めた大阪市保健所 背景に想定の甘さや連携不足
添田樹紀
新型コロナウイルスの「第6波」で、各地の保健所は再びパンク状態に陥った。大阪市保健所では高齢者施設のクラスター(感染者集団)の把握が追いつかず、感染者情報2万件以上の入力遅れや不適切な業務委託が起きるなど混迷を極めた。背景には想定の甘さや内部の連携不足があった。
「高齢者施設と医療機関のクラスター対策が非常に重要。入院患者も死者もほとんどが高齢者だ」。大阪府の吉村洋文知事は22日、第6波を踏まえた対策のポイントを記者団に語った。
しかし、大阪市保健所は感染急拡大に伴う業務逼迫(ひっぱく)で、施設のクラスターを把握できない状況に陥った。新規感染者が増え始めた1月中旬、重症化リスクの高い人への連絡や入院・療養先調整、自宅療養者の健康観察などを優先するため、疫学調査のうち個人の感染源の追究を取りやめた。施設については、感染者は把握できても、内部での接触による感染かどうかの調査が追いつかず、クラスターと認定できなくなった。
市保健所が1月15日~2月…