「ここも撮るんですか?」 清水のリアルを追い続けた元選手の意地
清水エスパルスで初めて作られたドキュメンタリー映像がある。
「CHANGE」
昨季のチームに1年間密着した臨場感のある内容で、DAZNで配信され、2月にはDVD化された。
J1下位に低迷して退任が決まり、クラブハウスでぼうぜんと座り込むロティーナ前監督。ロッカールームで感情をむき出しにし、ホワイトボードをたたきつけるGK権田修一……。
メディアやサポーターが立ち入ることができない映像を使い、Jリーグからも高評価を受けた作品は、クラブ内ではこう言われる。
あの映像は、純平じゃなければ撮れなかった――。
カメラを回したのはクラブ広報の高木純平、39歳。元Jリーガーだ。
「やるからには、中途半端にはやりたくない、と思っていました」
当の本人はこう振り返る。
新たなファン獲得に向けてJリーグとDAZNが制作費などを支援する企画「Jドキュメンタリー」に清水が参加したのが発端だ。新型コロナウイルスの影響で外部スタッフが入れないこともあり、「元選手の距離感を生かせるのでは」とカメラを託されたのが高木だった。
与えられたミッションは、成績に関係なくカメラを回し続けること。選手や強化部から「やめてくれ」と言われれば、企画は台なしだ。
「試合結果はお客さんは知っている。じゃあ、本当に知りたいことは何なのか。それを伝えることがまさにドキュメンタリーなんじゃないか、と」
マンチェスター・シティーや…
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