「飯より研究が好き」5年近くの公判、技術者が勝ち取った無罪

有料記事

山下寛久 大野晴香 藤牧幸一
[PR]

 営業秘密を外部に漏らしたとして不正競争防止法違反罪に問われ、名古屋地裁で18日に無罪判決を受けた愛知製鋼元役員の本蔵義信さん(71)は「飯より研究が好き」と語る技術者だ。一貫して無罪を主張し、公判は5年近くに及んだ。

 同社を退社して3年半ほど経った2017年1月、突然自宅に家宅捜索が入り、愛知県警半田署で事情を聴かれた。

 愛知製鋼の磁気センサーに関する営業秘密を漏らしたのではないか。

 磁気センサーは自ら研究開発を主導したはずなのに、「何のことを聞かれているのか、全く分からなかった」。身に覚えのない容疑で連日聴取を受けた。自分なりに記憶をたどって説明したが、取調官から「重大事件ですよ。何年懲役になるか分かりませんよ」と言われたという。

 広島県出身。名古屋大で磁性…

この記事は有料記事です。残り1821文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら