無人駅のJR蘇原駅前広場整備 名市大生が配置を提案 岐阜
松永佳伸
名古屋市立大学の芸術工学部建築都市デザイン学科の3年生5人が、岐阜県各務原市のJR蘇原駅で整備が始まっている駅前広場の配置計画案をまとめ、製作した模型を市に寄贈した。市は学生たちの意見をもとに実施設計をつくり、2023年度の完成をめざす。
市は21年度、JR蘇原駅前の利便性や安全性の向上を図るため、駅前広場の整備に着手。名市大芸術工学部の大野暁彦准教授が、市の景観アドバイザーを務めていることから、昨年11月、都市デザインを学ぶ研究室の学生たちに白羽の矢が立った。
無人駅のJR蘇原駅は、高校生の利用が多く、駅前は自転車があふれかえっている状態だ。現場を訪れた学生たちは「殺風景で人の居場所がない」「暗くて危険」という印象を抱いた。そこで「毎日気分良く安全に学校や職場などへまちの人たちを送り出し、迎え入れる駅」をコンセプトに掲げ、配置計画案を練った。
広場全体の面積は約2300平方メートル。自転車約250台が収容できる駐輪場のほか、多目的トイレやロータリーの一角にベンチなどを配置。新たにコミュニティーバスの停留所やタクシーの待機場所を設け、送迎の車のルートも確保した。
7日に市役所を訪れた北嶋紘典さん(22)は「公園のようなにぎわいのある広場をめざした」と説明。学生たちを指導した大野准教授も交通形態の変化による無人駅の新たな可能性や、利用者の多い若者目線を採り入れることなどに意義があるという。
市は新年度、駅前の民有地を新たに購入し、学生たちが提案した配置計画を参考にしながら実施計画をまとめる…