ランク1位?それがどうした! 格付けしたがる社会との向き合い方
気づけば、私たちの周りはランキングだらけだ。「住みたい街」「上司にしたい芸能人」、グルメサイトの飲食店評価……。なぜ何でも比べる社会になった? 序列で「価値」は決まるのか。
1位を横目に嗜好を追求 多摩美術大教授・佐藤達郎さん
たしかに最近、至る所で様々なランキングを目にします。例えば先月発表されたギョーザの購入額ランキング。これまでは宇都宮市と浜松市が1位を争っていたのが、宮崎市が初めて1位となったことが話題になりました。
広告業界では近年、企業や自治体がPRする時には、三つのメディアを使い分けていると言われます。一つが、自らお金を払って広告などを出すペイド(Paid=支払われた)メディア。二つめが、自社サイトのような自前のメディアを所有してPRするオウンド(Owned=所有された)メディア。三つめが、いま最も影響力があるとされるアーンド(Earned=評価を得た)メディアで、人の口コミ、ネットなどに取り上げられることです。
なぜ3番目が注目されているのかと言えば、コストがかからないうえ、利害関係のない第三者が取り上げて評価してくれるため、内容に信憑性(しんぴょうせい)と説得力があるように見えるからです。いま世の中に出回るランキングは、このアーンドメディアの一種でしょう。ギョーザ購入額1位となった宮崎市も、このニュースは全国的に報じられ、良いPRにつながったと考えられます。
便利なランキング。でも、「上位でなくても、必ずしも負け組とは限らない」と佐藤達郎さんは言います。記事後半では、東京五輪のスケートボードでストリート種目の日本代表コーチだった宮本美保さんが、個性を重視するスケートボードに迫る序列化、経済学史が専門の高見典和さんがランキングの危うさについて語ります。
しかし、アーンドメディアに…
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