MBSが調査報告を公表 維新代表ら3人出演の元日特番で

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西田理人

 毎日放送(MBS、大阪市)の元日のトークバラエティー番組に、日本維新の会代表の松井一郎・大阪市長、副代表の吉村洋文・大阪府知事、元代表の橋下徹氏をそろって出演させたことについて、同社は11日、社内調査の概要を公表した。制作の経緯について、政治的中立に関し「番組内でのバランスのとり方が極めて不十分であった」などと指摘し、再発防止策を提示した。

 番組は、タレント東野幸治さんとブラックマヨネーズの吉田敬さんがMCを務める不定期特番「東野&吉田のほっとけない人」(関西ローカル)で、元日の放送では橋下氏と吉村氏、松井氏がゲスト出演。3人のプライベートの関係性や国会議員の文書通信交通滞在費、誰が将来の総理大臣にふさわしいかなどを議論した。

 3人の出番は2時間のうち約40分に及び、橋下、松井両氏が「吉村さんが総理に」などと語る一幕もあった。他の政党関係者の出演はなかった。

 放送後に「維新に偏っている」「政治的に中立でない」といった視聴者からの意見が多数寄せられたほか、1月11日の同社の番組審議会でも外部委員から厳しい指摘が出た。

 社内でも、同5日の幹部会議で番組内容に疑義が呈されるなどしたことから、同社は同17日に調査チームを立ち上げて検証を進めてきた。

政治的公平性への「認識の甘さ」を指摘

 今回、番組審議会のホームペ…

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    曽我部真裕
    (京都大学大学院法学研究科教授)
    2022年3月11日22時13分 投稿
    【視点】

     速やかに社内調査をして、一定の対策が打ち出されたことは、放送局の自律が最低限は発揮されたと言えそうです。  とはいえ、唯一、大阪に本部のある国政政党の幹部であって距離を取り難い上に、他党の有名どころを同時に呼ぶことも難しく、視聴率もとれ

    …続きを読む