世界を脅す原発攻撃、プーチン氏の狙いを「我々の尺度で測らない」
ウクライナに侵攻したロシア軍は、原子力発電所や核関連施設まで攻撃の対象としました。国際社会から厳しい批判を浴びながら、侵攻の手を緩めないプーチン大統領の狙いはどこにあるのか。安全保障論が専門の小谷哲男・明海大教授に聞きました。
――ロシア軍は侵攻の初日にウクライナ北部のチェルノブイリ原発を占拠しました。何が狙いだったのでしょうか?
プーチン氏は侵攻の理由の一つとして、「ウクライナが旧ソ連の技術を使って核開発をしている」と主張しました。まずはこのフィクションをつくり出す必要があったのです。チェルノブイリ原発を占拠した後、ロシアはウクライナが放射性物質を含む「ダーティーボム(汚い爆弾)」を開発している、と言い始めました。自分たちのウクライナ侵攻の正当性を訴えようとしたのでしょう。
――続いて南部のザポリージャ原発を攻撃し、占拠しましたが、そこにはどんな狙いがあったのでしょうか?
原発への攻撃は「ウクライナの核開発を捏造することを狙っている」と指摘する小谷教授。「ロシアの言い分が通るとは思えない」と言います。それなのになぜロシアは主張を続けようとするのでしょうか。国際社会はどう対処していくべきでしょうか。記事後半に続きます。
情報操作の対象は
稼働している原発を狙ったの…
- 【視点】
核の軍事利用である核兵器にせよ、平和利用である原発にせよ、プーチン氏の手にかかればどちらも軍事的な威嚇や乱暴な交渉の材料になってしまう。人の命を奪い、生活を奪い、また周辺国の安全や経済も脅かそうとするプーチン氏の思考がそのまま通ってしまうロ
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