宇宙食のサバ缶が商品に 福井の高校生が開発、野口聡一さんも太鼓判
あの「ご当地宇宙食」が食卓へ――。福井県立若狭高校(小浜市)の海洋科学科の生徒たちが宇宙食として開発したサバ缶が商品化され、「サバの日」の3月8日、発売された。
古くは鯖(さば)街道で京都へ運ばれた地元のサバ。生徒たちは、統合前の県立小浜水産高校だった2006年からサバ缶の開発に取り組んだ。18年11月、サバ缶は宇宙航空研究開発機構(JAXA)から宇宙日本食の認証を受けた。
無重力でも調味液が飛び散らないようくず粉でとろみをつけ、味覚が鈍る宇宙向けに濃いめのしょうゆ味にしたのが特徴だ。
約300人の生徒が14年かけて夢をつなぎ、サバ缶は20年11月、国際宇宙ステーションの宇宙飛行士、野口聡一さんのもとへ。無重力空間でパクッと食べ「うまい」と絶賛する野口さんの映像が公開され話題になった。
生徒たちの取り組みはそこで終わらなかった。同科2年の秦千遥さんらは、「サバ缶詰を全国の人に食べてもらい、その利益を地域に還元できたら」と商品化を模索。ただ、宇宙食のサバ缶は、手作りで時間がかかり、値段が高くなるという課題があった。
そこで、地元企業が生徒の熱意に応えて協力した。
まず、福井缶詰(小浜市)が生徒たちのレシピを元に、くずでとろみを付ける作業を機械化し、量産を可能にした。サバはノルウェー産にして、価格を700円に抑えた。同社の重田洋志さん(37)は「オリジナルの味を再現できた」と話した。生徒たちも「とろみがあり、身全体に味が染みこんでいておいしい」と太鼓判を押す。
外装にも生徒のアイデアを採…