中国主導の投資銀AIIB、ロシア・ベラルーシ案件「保留」

北京=西山明宏
[PR]

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は3日、ウクライナに侵攻したロシアや、協力したベラルーシについて「関係するすべての活動を保留し、再検討する」と発表した。同行の財務の健全性を守ることに最大限を尽くすためと説明。米欧による両国への金融制裁で資金回収などに影響が出ることを避ける狙いとみられる。

 AIIBは2016年に開業。中国が3割を出資する最大の出資者で融資など重要議案の拒否権をもつ。105カ国が加盟し、ロシアは15年、ベラルーシは19年にそれぞれ加盟した。両国への投融資額はロシア向けが8億ドル(約920億円)、ベラルーシ向けが2億ユーロ(約250億円)ある。

 AIIBは発表文で「被害に遭われた方々に対し気の毒に思う」とした上で、「戦争によって不利な打撃を受けた加盟国に対して柔軟で迅速なサポートを提供する準備がある」とした。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
西山明宏
経済部|自動車業界担当
専門・関心分野
中国経済、通商政策、民間企業
  • commentatorHeader
    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2022年3月4日16時57分 投稿
    【視点】

    AIIBの総裁は中国人で、副総裁5人の内訳はロシア、インド、英国、ドイツ、インドネシアです。出資に応じた発言権(投票権)は中国が約3割とダントツに高く、事実上「拒否権」を発動できる水準です。ロシアも8%、インドは約6%。これに対して、欧州や

    …続きを読む
ウクライナ情勢

ウクライナ情勢

2022年2月24日、ロシアがウクライナへの侵攻を開始しました。国際社会の動きや、現地の様子などのニュースをお伝えします。[もっと見る]