中国ネットでロシア製品の売り切れ続出 「人民の購買力見くびるな」

ウクライナ情勢

北京=西山明宏
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 ウクライナの侵攻を理由に欧米日から金融制裁などを受けたロシアに対して、中国のインターネット上でロシア製品を買って同国を応援しようという動きが出ている。中国のロシア大使館公認のオンラインショップではチョコレートや飲料水、ウォッカなどが2日までに次々に売り切れた。

 「ロシア国家館」と名付けられたショップは、中国の通販大手京東(JDドットコム)のサイト内にある。昨春に開設され、中国のロシア大使館が公認している唯一のショップだという。お菓子やお茶などといった食品が中心だが、多くがすでに売り切れの状態で買えなくなっている。

 ショップのサイト内で流れる動画では、ロシア側の関係者が「複雑で激変する国際情勢の元、我々は中国の友情を目にしている」と話す動画も流れている。

 ショップのフォロワーは制裁前の数千人から30万を超えたとの情報もある。ネット上では「ロシアを応援するために買う」「中国人民の購買力を見くびらない方が良い」といった書き込みが続いている。

 中国のネット上では、対ロシア制裁への反対姿勢を示す中国政府の意向や、中国メディアの報道の影響から、ロシアを応援したり、ウクライナや欧米を批判したりする書き込みが増えている。

 また検閲も強化されているとみられ、中国の複数の歴史学者が2月26日、ロシア政府とプーチン大統領に対し戦争の停止を呼びかける声明を中国のSNSで発表したが、すぐに削除された。(北京=西山明宏)

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    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2022年3月3日18時42分 投稿
    【視点】

    ロシア製品の購入運動は今後、米国製品に対する不買運動の拡大に傾斜していくのかどうか。中国でウクライナを支持することは米国を支持する行為として、ネット上でののしられている。反戦の立場を示した人への攻撃も、戦争に反対したこと自体よりも、その立場

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