工夫だったのに… 早大のオンライン不正受講、学生が語る「事情」

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小川尭洋

 オンラインで視聴する授業動画を、何本も同時に再生した学生が多数いることが判明した早稲田大学。この授業の成績について大学側は、同時再生した学生は「不可」にすると受講者に通知し、成績は3月1日に発表された。しかし、「不可にする前に事情を聴いてほしかった」と話す学生もいる。どんな「事情」があったのか。

 早大によると、問題となったのは、商学部の必修科目として2021年度秋学期に開講された「ビジネス法入門」。新型コロナ対策のため、学生たちは教室での対面授業を受ける代わりに、教育支援ソフト「Moodle(ムードル)」で授業動画をオンラインで視聴することに。単位を取るには期限内に全て見終える必要があった。

 この授業動画を巡っては、何本も同時再生させていた学生がいたことが2月に表面化した。その数は100人ほどになるとみられる。大学は、本来は各動画を1本ずつ視聴しなくてはならないとして同時再生を不正行為と判断。同時再生した学生の成績を「不可」とする方針を示していた。

学生「僕たちの言い分も聞いてほしい」

 この授業を受けた複数の学生によると、各動画は、初回視聴時はスキップ再生できない設定になっており、2度目以降は、任意のところから再生できるようになっていたという。

記事後半では、当事者の学生たちが当時の状況や大学への思いについて話しました。3人の学生の話を動画でもご覧頂けます。

 今回、成績が「不可」となっ…

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    遠藤謙
    (エンジニア)
    2022年3月31日23時4分 投稿
    【視点】

    UIデザインでは、なるべくユーザが想定外の使用ができないようにデザインすることによって、ユーザが目的達成するように仕向ける。競争が激しいドメインでのアプリ開発では、ユーザビリティが高いものしか生き残れないが、行政や学校のような競争が少ない場

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2022年4月1日8時15分 投稿
    【視点】

    昨年から別の大学で兼任講師を務め、コロナ禍での変化に戸惑うアナログな私からひと言です。  授業のリモート化にはやむを得ない面がありますが、そもそも動画配信まで行ってしまうと、学生との間でこういう行き違いが起きやすくなるのではないでしょうか

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