「縮む社員を元気に」観光列車にも注力 JR九州の古宮洋二新社長

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加藤裕則
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 JR九州は4月1日付で社長が交代した。青柳俊彦社長(68)が会長になり、古宮洋二・専務執行役員(59)が新たにトップに就く。今秋には西九州新幹線(武雄温泉―長崎)が開業する予定で、観光客の回復が期待される。古宮氏に戦略などを聞いた。

 ――コロナ禍で落ち込んだ乗客は戻ってきますか。

 「観光は戻るはずだ。『在宅』が浸透し、通勤・通学は完全に戻らない可能性もある。人の流れをどうやってつくっていくのかを考えたい。不動産などこれまでとは違う分野に力を入れる。駅のまわりを開発すれば、人が増えてにぎわう。モデルは新宮中央駅(福岡県新宮町)だ。10年ほど前に駅をつくったところ、マンションや商業施設もできた。乗客が年に10%ずつほど増えていった。都心から離れたところに開発すべき土地があるので探していきたい」

 ――社長としてまず取り組むことは。

 「この2年間、経費を縮減し、投資を抑えた。社員にもシュリンク(縮む)する意識が見られる。『自分たちでやっていこう』と語りかけて社員に夢を与えたい。社長と話すということは現場の社員にとって力になるはずで、現場に出かけたい。鉄道事業でも『行く理由』をつくっていきたい。そうすれば、列車に乗っていただき、食事もしていただける」

 ――行く理由とは。

 「私たちが取り組むD&S(…

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