ロシア軍がチェルノブイリ原発占拠 ウクライナ側「最も深刻な脅威」

有料記事ウクライナ情勢

モスクワ=石橋亮介 ワシントン=高野遼

 ウクライナ大統領府は24日、1986年に爆発事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ原発がロシア軍に占拠されたと明らかにした。ベラルーシから侵攻したロシア軍の攻撃を受け、原発を警備するウクライナの部隊が応戦したが制圧されたという。職員が人質にとられているという情報もある。

 ウクライナのウニアン通信によると、大統領府のポドリャク顧問は、「激しい戦闘の後、我々は発電所の支配を失った。(事故のあった原子炉を覆う)シェルターや核燃料の保管庫の状況は不明だ」と説明。「ロシアの無意味な攻撃の後では原発が安全かどうか断言できない。現在のヨーロッパに対する最も深刻な脅威の一つだ」と述べた。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は同日午後、「ロシアの占領部隊がチェルノブイリ原発を占拠しようとしている」とツイート。「我が国の軍隊は、1986年の悲劇が繰り返されないよう命をかけている。これは全ヨーロッパに対する宣戦布告だ」と訴えていた。

 同原発はウクライナの首都キ…

この記事は有料記事です。残り258文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    前田直人
    (朝日新聞デジタル事業担当補佐)
    2022年2月25日8時58分 投稿
    【視点】

    なぜ、チェルノブイリ原発を占拠したのか。その目的はよくわかりませんが、忌まわしい1986年のチェルノブイリ原発事故の記憶がよみがえり、心理的な揺さぶりをかけられたという直感があります。 日本からはるか遠い事故でありながら、当時は日本国

    …続きを読む
ウクライナ情勢 最新ニュース

ウクライナ情勢 最新ニュース

ロシアのウクライナ侵攻に関する最新のニュース、国際社会の動向、経済への影響などを、わかりやすくお伝えします。[もっと見る]