「兄弟国」に手をかけたプーチン氏 欧米に責任転嫁しても見えぬ未来

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モスクワ=中川仁樹
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 「レッドライン(越えてはならない一線)があると繰り返し言ってきた。それを彼らが越えた」

 プーチン氏はウクライナ東部での軍事作戦の実施を宣言した24日のテレビ演説でこう述べ、侵攻の責任を欧米に押しつけた。

 特に「受け入れられない」と強い不満をぶちまけたのが、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大だ。NATOは冷戦後、旧ソ連陣営だった東欧などを受け入れて、加盟国が30カ国に倍増した。

 ロシアは昨年、ウクライナ国境に大規模な兵力を集めて軍事的圧力を強めた。撤収を求める欧米に対し、NATOの拡大停止や、NATOの兵器・部隊の配備を東欧への拡大が始まる前の状態に戻すことなどを要求。これに対し、欧米は対話を続けながらも、拒否する方針を明確にしていた。

ロシアへの「敗者扱い」に悔しさ 強調したプーチン氏

 プーチン氏は同時に、201…

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2022年2月25日21時17分 投稿
    【視点】

    「同文同種」「兄弟国」「同胞保護」。この論法は、かつて戦前の日本も使ったものだ。戦前日本の民族論とナショナリズムを研究し、ロシアとの類似性を指摘した身としては、こういう物語が経済合理性を凌駕して人間を動かすことに慄然とする。

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