ウィシュマさん、技能実習生…外国人の人権 「活動家弁護士」は闘う
スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが収容中に死亡した事件、技能実習生が賃金をまともに払われずに酷使された問題……。外国人の命や人権が踏みにじられた現場には、遺族や被害者らとともに声を上げる弁護士、指宿昭一さんの姿がある。なぜ闘い続けるのか。外国人問題が浮き彫りにする日本社会の姿とは。
いぶすき・しょういち
1961年生まれ。著書に「使い捨て外国人 人権なき移民国家、日本」。外国人技能実習生問題弁護士連絡会共同代表。2021年、米国務省から「人身売買と闘うヒーロー」に選ばれた。
――「弁護士バッジをつけた活動家」と称していますね。
「学生時代から私は活動家で、弁護士資格はプラスアルファだと思っています。1980年に筑波大学に入りましたが、かつて全国で広がった学生運動が起こらないように管理を徹底した新設大学で、許可がなければビラまきも、できませんでした。学生や教職員が発言できる普通の大学にしようと、自由な学園祭をさせるよう当局に求めました」
「アルバイト先のコンビニでオーナーの侮辱的な発言などにパートとバイト学生の不満が高まり、仲間と労働組合をつくり、交渉したこともあります。この経験が、労働問題に取り組むようになる大きなきっかけです。大学では学生から生協が欲しいという声が上がりましたが、当局は認めません。卒業後に生協設立に関わり、大学の敷地外に店舗をつくり職員になりました。一方で、中小企業に労組をつくる運動をしていました」
――そこから、どうして弁護士になったのですか。
「労働運動で世話になっていた弁護士が体を壊し、君たちの中から弁護士を育てよ、と言われ、仲間に推されました。バイトと運動をしながら司法試験の勉強をして、2、3年で受かると思っていたのですが、なかなか通りません。17回目の挑戦で合格したときは、44歳になっていました」
記事後半では、指宿さんが外国人の問題に関わるようになったきっかけを語ります。岐阜県のある工場で目の当たりにした現実とは。
――なぜ、外国人の問題に関わるようになったのですか。
「これも労働問題でした。弁…
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