自宅療養者への食料品配布1週間後 保健所パンク状態、案内も省略
新型コロナウイルスに感染した自宅療養者への食料品配布が感染判明から約1週間後になるなど遅れが生じている。自治体によっては対象者を絞ったり、積極的な案内を取りやめたり。感染急拡大で保健所がパンク状態にあるからだ。
大阪市はレトルトのご飯やカレー、海藻サラダなど栄養バランスに配慮した1週間分の食料品を自宅療養者の玄関ドア前まで配達する。市内の自宅療養者は4日時点で約2万4千人だが、配達対象は食料品を通販で取り寄せられない、知人に頼めないといった人に限定する。
市保健所は、50歳以上や重症化リスクのある人への最初の電話連絡「ファーストタッチ」の際、食料品配布について案内する。ただ、ファーストタッチ自体が感染判明から約1週間後となり、療養期間内に配達が間に合わない場合もあった。49歳以下の重症化リスクがない人へのSMS(ショートメッセージサービス)によるファーストタッチでは案内はせず、本人から要望があった場合に対応する。
昨年の「第5波」では申し込みが殺到し、感染判明から配達まで最大10日程度かかった。この経験を踏まえ、1日の配達可能件数を約3倍の約900件に拡大する一方で、対象者を絞った。2月中旬の配達件数は1日約70件だが、ファーストタッチの遅れなどにより、感染判明から3日後以降の配達になっている。
実際の配達件数が配達可能件数の1割以下の状況について、市の担当者は「食料品配布についての情報が行き届いていない面もあると思うが、自宅療養者が急増するなかで、本当に必要な人を優先せざるを得ない」と話す。
福岡市はレトルト食品やカッ…