コロナで症状悪化しても119番控えて 大阪市、高齢者施設に通知

浅沼愛
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 大阪市消防局が、高齢者施設で療養する新型コロナ患者の症状が悪化した場合、すぐに119番通報するのは控えるよう、市内の施設に通知していたことがわかった。市消防局によると、こうした通知は初めて。

 市消防局は今月4日、市福祉局を通じて高齢者福祉施設宛てにメールで送った通知で「高齢者施設からの救急要請に、施設の医師、看護師等による観察や酸素投与等必要な処置が施されている状況でも、保健所を介さず直接119番通報されている事案が見受けられる」と指摘。相談先として区の保健福祉センターや、市保健所の自宅療養者向け窓口を紹介している。

 府内では今月に入り、連日1万人超の感染が確認され、軽症中等症病床の使用率は7日に100%を超えるなど医療提供体制が急激に逼迫(ひっぱく)している。市消防局によると、1月31日~2月6日の「救急搬送困難事案」は552件にのぼり、うち22件は待機時間が6時間以上に及んだという。

 施設関係者からは「救急に電話するなという趣旨ではないか」との声が上がる。市消防局は「119番してはいけないということではない。救急隊が到着してもすぐに病院に搬送できず、保健所を通じて入院先を調整する必要がある。長時間、病院のベッドが空くのを待つような状況になっている」と説明。「救急車が逼迫する中、多くの人を搬送につなげる必要がある」と理解を求めた。(浅沼愛)

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