駅弁「ワインのめし」栄冠 東日本のコンテストで最高賞

岩城興
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 東日本の駅弁ナンバー1を決めるコンテスト「駅弁味の陣2021」で、老舗の駅弁製造・販売「丸政(まるまさ)」(山梨県北杜市小淵沢町)の「ワインのめし」が、最高賞「駅弁大将軍」に輝いた。オードブル風に仕立てた山梨の食材を、甲州ワイン片手に楽しんでもらう――。そんなワイン県ならではの趣向が、人気を集めた。

 「ワインに合う飯(めし)」と、甲州弁の「飲めし」(飲みなよ)をかけたネーミング。昨年3月からJR小淵沢、甲府駅などの売店で売られている。

 弁当としては珍しく、パンはあるが、ご飯はない。名物ほうとうのグラタンやB級グルメ・甲州鳥もつ煮など9品を彩りよく並べた。富士桜ポーク、甲州地鶏、甲斐サーモンなど山梨が誇る素材を使った。掛け紙には、北杜市在住の絵本作家こいでなつこさんのイラストを採用。車窓に富士山が見えるなか、食材のキャラクターらと武田信玄が駅弁とワインを味わい、鉄道の旅を楽しんでいる。

 コンテストは「日本の鉄道文化・駅弁の豊かさを伝えていこう」と、JR東日本が主催し、これで10回目。昨年秋にインターネットで一般から3万6454票の投票があり、「味」「盛りつけ」「掛け紙」の3項目を評価。エントリーがあった同社管内の駅弁67点から入賞14点を決めた。「ワインのめし」は、投票のコメントで「ワインのための駅弁とは、とても面白い発想」「一つ一つのおかずが味わい深い」などと称賛された。

 丸政は1918(大正7)年創業。このコンテストで、これまで「初陣賞」(2014年)、「(駅弁誕生)135周年記念賞」(20年)を受けており、3度目の受賞となった。会長名取政仁(まさひと)さん(77)は「駅弁は小さな箱と掛け紙に、地元の魅力を詰めたもの。(弁当屋でなく)山梨の『駅弁屋』として、受賞はとても名誉なこと。さらに『究極の駅弁』を追求したい」と話している。

 受賞の駅弁は13日まで、コンテストのアフターイベント「宴」で販売。「ワインのめし」は東京、上野、新宿、大宮の各駅で扱っている。

 1500円(税込み)。問い合わせは丸政(0551・36・2521)へ。

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 「ワインのめし」の9品

 チーズケーキ・レーズンパン▽甲州富士桜ポークのかつサンド▽ワインきのこと小エビのアヒージョ▽牛肉炭火焼き白ワイン仕立て▽甲州ほうとうグラタン▽甲州地鶏テリヤキチキン▽ドライフルーツと月の小石チョコレート▽甲州鳥もつ煮▽甲斐サーモンのマリネ

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