「一番怖いのは慣れ」園児の置き去りどう防ぐ?一緒に歩き見えたこと

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中井なつみ
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 保育園の散歩中などに、子どもが置き去りや迷子になる事案が、東京都に報告されただけで、2017~20年度の4年間に94件起きていたことがわかった。

 散歩などの園外活動は、子どもたちの健全な発達のために大切な時間。安全な保育のために必要なことを聞いてみると、現場からは「保育士が多ければいいとも限らない」という意外な答えが。

 では、一体どんなことが大切なのか。記者(34)が散歩に同行した。

出発前、何度も声かけ

 「お外に出たら、手を離しませんよ」

 「道を渡るときは、きちんと確認しましょう」

 保育士の声かけに、4~5歳児の子どもたちは元気よく「はーい」と返事をする。

 昨年12月初旬、千葉県四街道市認可保育園「あい・あい保育園四街道園」で、子どもたちが園外活動、散歩に出かける際の一コマだ。

 繰り返しこうした声かけをするのには、子どもたちにも「園の外に出たときの危機管理」を意識させる狙いがあるという。

 この園には、子どもが十分に走り回れる広さのある、砂場や大型の木製アスレチック遊具などを完備した園庭がある。園外活動(散歩)をせずとも十分な運動の機会が取れそうだが、それでも週に1~2回の散歩は子どもの成長の観点からも必要だという。

 なぜか。

 同園の渡辺天海施設長は「子どもの発達に必要なのは、体を動かすことだけではない。園外に出ることで、地域の様子を知れたり、四季の移ろいを感じたり、交通ルールを学んだりできる。園内では得られないメリットも多いのです」という。

 保育園に通っている間は、保護者が送迎をすることが基本だが、卒園して小学校に入学した後のことを考え、「きちんと交通ルールを守って歩けるように」といった練習もかねているのだという。

園外は危険だらけ、最も大切なのは

 ただ、園の外に一歩出ると、子どもたちはさまざまなリスクと隣り合わせになることも否めない。

 渡辺施設長も「危険な車や不審者がいないか、子どもをきちんと引率できるか。さまざまな点で危険につながる『ヒヤリハット』を想定し、共有しています」と力を込める。

様々な危険がある園外での活動。保育士の配置基準の見直しを求める声もありますが、一方で、「人数が多ければいいわけでもない」そうです。どういうことでしょうか。後半で詳しくお伝えします。

 では、どんなことに気をつけているのか。

 安全対策のうち、もっとも基…

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