芥川賞「2作受賞あった」、直木賞「全く拮抗」 講評で振り返る選考
興野優平
第166回芥川賞・直木賞が19日決まった。芥川賞は砂川文次さん「ブラックボックス」(群像8月号)、直木賞は今村翔吾さん「塞王(さいおう)の楯(たて)」(集英社)と米澤穂信さん「黒牢城」(KADOKAWA)のダブル受賞となった。両賞はどのように決まったのか、選考委員の講評からたどる。
芥川賞の受賞が決まった「ブラックボックス」は、自衛隊を辞めた自転車便のメッセンジャーが主人公。選考委員を代表して講評した奥泉光さんは、「これまで戦争小説を扱っていた砂川さんが格差社会の底辺を生きる人を取り上げており、現代のプロレタリアート文学との声があった。古風なリアリズムを前提としていても、書かれるべき切実さがあった」と評価した。
次いで評価が高かったのは、九段理江さんの「Schoolgirl」(文学界12月号)と、石田夏穂さんの「我が友、スミス」(すばる11月号)。
「Schoolgirl」は…
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