NHK五輪番組字幕、試写段階から指摘 上司が確認指示も不徹底

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野城千穂
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 昨年末放送のNHK・BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」で取材内容と違う字幕を付けた問題で、NHKは19日、試写段階で番組のプロデューサーが、取材したディレクターに字幕の内容の確認を指示したが、ディレクターが不十分な確認しかせずに「確認した」と報告していたことを明らかにした。

 問題となっているのは、河瀬さんが総監督の東京五輪公式記録映画の取材で映画監督の島田角栄さんが匿名男性に話を聞く場面についた「五輪反対デモに参加している」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」との字幕。

 NHKによると、男性は実際には「デモで現金を受け取ったことがある」「五輪反対デモにも参加意向がある」などと話していた。

 この日開かれた放送総局長の定例会見での担当者の説明によると、問題の字幕は試写段階から入っており、プロデューサーはディレクターに、字幕の事実関係を確認するよう指示。しかしディレクターは、一緒に話を聞いた島田さんに「デモに行く予定がある」という話を聞いたことを確認しただけで、男性本人への確認もしなかったという。

 ディレクターはこの確認だけで「デモに行った」と誤解し「確認した」と報告。プロデューサーは「お金をもらって動員されている」という点も確認したと誤信したという。

 NHKでは2014年の「ク…

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