「保健所はパンク状態」 オミクロン株の患者急増、緊迫の現場
新型コロナウイルスの感染者が急増するなか、大阪府では保健所の業務が逼迫(ひっぱく)している。保健所による入院や療養の判断に遅れが出ており、判断を待つ感染者は19日現在8498人に上った。健康観察の対象を絞りながら、重症化リスクの高い感染者の容体悪化を見逃さないように努めている。
「オミクロン株の患者が急増し、保健所はパンク状態です」。大阪府の新規感染者が過去最多の6101人になった19日、人口約40万人の中核市である枚方(ひらかた)市保健所の白井千香所長は、厳しい表情でそう語った。
入院か自宅療養かなどを決める「疫学調査班」の部屋ではこの日、保健師ら職員十数人が感染者に電話をかけていた。
「高血圧なんですね」「水分は取れていますか?」。手元の資料をもとに問いかける。普段なら医療機関から陽性の届け出があった翌日までには連絡できていたが、今は多くが4日後になっている。
このため、届け出の翌日には、いったん事務職員が感染者に連絡して、容体が急変した時の連絡先を伝える。疫学調査の手間を省くため、インターネットを通じて、感染者に同居家族や基礎疾患の有無などを記入してもらう市独自の仕組みも設けている。
変異株のオミクロン株の市中感染が枚方市で確認されたのは、昨年12月25日だった。1月14日には新規感染者が137人になり、第5波のピーク時の119人を超えた。18日も198人で最多を更新した。
オミクロン株の感染者は軽症か無症状が多いといい、枚方市でも19日時点の重症者は2人にとどまっている。とはいえ、容体が急変していないかどうかの確認も保健所が担っている。
記事の後半では、感染の疑いのある人たちが殺到している発熱外来の現状も紹介します。
隣の部屋では、約20人の職員が自宅にいる療養者らに健康観察の電話をかけていた。
「37・5度以上のお熱は?…
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