飲み水は雨水タンク、火山灰の影響懸念 トンガ支援のNPOに聞く

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聞き手・太田成美
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 海底火山の大規模噴火が起きた、約170の島々からなる南太平洋のトンガ諸島。ここで暮らす日本人女性、ルイ敬子さんが立ち上げたNPOがあります。日本から約8千キロ離れたトンガはどんなところなのか。どのような支援が想定されるのか。兵庫県三田市在住で、このNPOの広報担当を務める嶋田武司さん(64)に、現地での活動内容を含めて聞きました。

 ――日本の外務省によると、トンガにいる約40人の邦人は無事とのことです。トンガで暮らすルイ敬子さんと2人の子どもはどのような状況なのでしょうか?

 敬子さんは、トンガの首都があるトンガタプ島から北東に約300キロ離れたババウ諸島で暮らしています。噴火を受けて避難する際に東京に住む敬子さんの兄に1通、無事だというメッセージがあったようですが、その後は連絡がとれていませんでした。

 19日夜になって、知人の衛星電話を使って兄に「ババウは大きな津波被害は出ておらず、避難所から家に戻った」との電話がありました。ただ、火山灰で農作物に被害が出ているほか、魚がとれないそうです。

 ――NPO「ババウ・フューチャー・クリエーティング・プロジェクト(VFCP)」は、ババウ諸島の小学校のトイレの改修や雨水タンクの整備をしているんですね。

 2019年度の厚生労働省の委託調査によると、トンガの上水道普及率は国全体で5割ほどで、ババウ諸島では45%です。ババウ諸島のビーチ沿いのリゾートには水道がないため、敬子さんの家にも水道はなく、雨水タンクを使っています。

 雨水タンクが老朽化した小学校もあり、トイレの衛生状態が悪く、手洗いの習慣もありませんでした。感染症も発生しており、17年にVFCPを立ち上げて支援を始めました。これまでに学校4校に雨水タンクを設置しました。

 雨水を浄化して飲料水や生活…

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