ゆうちょ銀行、17日から硬貨手数料 窓口もATMも高まる顧客負担

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中川透
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 硬貨を預かる際に手数料を取る銀行が増えている。ゆうちょ銀行が17日から手数料を新設するほか、複数の地方銀行が2~4月に手数料を引き上げる。超低金利で利益を出しにくい環境が続くなか、収益力のアップにつなげたい考えだ。同様な動きは今後も広がるとみられ、現金を使わないキャッシュレス決済の流れもますます強まりそうだ。

進むキャッシュレス化貯金箱「受難」の時代

 国内最大の店舗網とATM網を持つゆうちょ銀行は17日から、窓口での硬貨の預け入れに際し、51~100枚で550円▽101~500枚で825円などの手数料をとる。50枚までは無料だ。ATMでの預け入れも1~25枚で110円▽26~50枚で220円などの手数料を新設する。ATMでの硬貨取り扱いは従来の平日午前7時~午後9時が、午後6時までに短縮され、土日と休日は預けられなくなる。

 手数料新設の理由は「収支の改善」だ。超低金利で経営環境が厳しいので、硬貨の保管や計算などにかかる費用の一部を顧客にも負担してもらう。同様の理由で、ゆうちょ銀は払い出し時に硬貨や紙幣の種類を指定された際に手数料をとったり、コンビニ設置のATM利用の手数料を引き上げたりする予定だ。「大量の硬貨の利用にはATMが長時間ふさがったり、故障を招いたりする維持コストがかかる」(広報担当者)と説明する。

 ATMでの大量の硬貨利用は多くの銀行の悩みのタネで、ある地域金融機関の男性職員は「顧客が貯金箱の中身を確かめずに硬貨を預け入れ、異物が詰まることも多い。設置台数の少ない店舗ではすぐに行列の原因になる」と打ち明ける。

 それでもこれまでは顧客サービスの一環で無料で硬貨を預かる銀行が多かった。それが経営環境の悪化を受け、19年から20年にかけ、メガバンクが窓口での硬貨の預け入れを対象に手数料を相次いで新設。地銀にも広がった。北都銀(秋田)、東邦銀(福島)や西京銀(山口)は今年2月から、中国銀(岡山)は4月から、手数料を取る枚数を引き下げたり料金を上げたりする。北都銀は「キャッシュレス推進などの環境変化を踏まえた」という。

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