「O氏」を追って…沖縄返還交渉の首相ブレーンたち

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編集委員・藤田直央
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アナザーノート 藤田直央編集委員

 2022年、皆さんの始まりはいかがですか。私は沖縄復帰50年ということで、朝日新聞の取材班に入っています。今回は、最近書いた記事「資料から浮かんだ核持ち込み密約の『原型』 沖縄返還交渉の背景」で、米国との沖縄返還交渉のキーマン「O氏」を追った話をさせていただきたいと思います。

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 沖縄返還交渉をめぐる「ニュース」をいま新聞に書くのはなかなか大変です。第2次大戦後に米ソが対立した冷戦の初期に、米国の軍事拠点となっていた沖縄を切り離して日本が独立。沖縄で祖国復帰運動が高まる中、日米の熾烈(しれつ)な交渉の末1972年に沖縄返還が実現――というのは、周知のことです。

 戦後日本史で指折りの出来事である沖縄返還については、すでに深い研究、報道もあります。返還時に米軍基地から核が撤去される一方で日米両首脳が密約を交わし、沖縄への「緊急時の核持ち込み」を日本が認めた問題がありましたが、2009年の民主党政権への交代を機に調査され、関連の機密文書が公表されています。

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 沖縄返還の研究、報道に一山…

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