脱サラ→起業失敗でも失業手当 資格期間が4年に延長

橋本拓樹
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 失業した元会社員が再就職先さがしをする代わりに起業した場合、雇用保険失業手当を受ける資格を4年間持ち続けられる特例が新設される。起業家やフリーランスなどの個人事業主に転じて再出発したが、うまくいかずに再び失業した人が対象になる見込みだ。

 12日に厚生労働省の審議会でまとめた報告書に盛り込まれた。今国会に雇用保険法の改正案が提出される見通しだ。

 失業手当は各地のハローワークに届け出て受給の資格を得る。受給の期間は、前職での雇用保険の加入時期や年齢などに応じて90~330日間となる。

 いまも起業した場合は、受給の資格を1年間は持ち続けられる。ただ、起業後に収入があるうちは資格があっても失業手当を受給できない。受給するのは廃業して失業してからになるため、利用できる人が少なく、拡充の必要があると指摘されていた。

 働き方の多様化も進み、会社員からフリーランスなどに転じる人は今後も増えるとみられている。そのため主に会社員が対象だった雇用保険の制度の拡充を、厚労省が検討していた。妊娠や出産、育児で再就職先さがしが難しい人には、同様に受給資格の期間を延長する特例を導入済みだ。

 厚労省によると、失業をハローワークに届け出た人のうち1%ほどが再就職せずに起業する。その数は昨年度で約1万5千人だ。この1割程度が再び失業して新設される特例を使った場合、年間で10億円程度の支出が見込まれるという。(橋本拓樹)

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