戦前の坂本龍馬像を訪ねた白黒写真 新選組を支えた後援者の孫が発見

高田誠
[PR]

 幕末の新選組の後援者、佐藤彦五郎の孫、仁(じん、1881~1961)は戦前、京都市の円山公園にあった坂本龍馬中岡慎太郎像を訪ねた。その際の記念写真を仁の孫、福子さん(65)が東京都日野市の自宅で見つけた。福子さんは「歴史の流れを感じる」と話す。

 新選組は幕府側、龍馬、中岡は倒幕側だった。龍馬らは京都の近江屋に滞在中、殺害された。現在では実行犯は幕府の京都見廻(みまわり)組との説が有力だが、当初は新選組も疑われた。

 京都市都市緑化協会によると、龍馬の傍らに中岡が正座する銅像は1934年に円山公園に建立された。太平洋戦争で供出、撤去されたが、62年に中岡が正座から立てひざに変わった現在の銅像に再建された。

 佐藤家は代々、名主を務めた。彦五郎は新選組副長の土方歳三の姉と結婚、新選組の資金面を支えた。仁は元旧日野町長。佐藤彦五郎新選組資料館館長でもある福子さんが昨夏、自宅の資料を整理中、白黒写真を紙封筒から見つけた。

 写真では龍馬らの像の前に背広姿の仁が立つ。かつての像で、戦前に撮影されたとみられる。福子さんは「時代の空気が伝わる写真だ。祖父は龍馬暗殺は新選組の仕業でないと認められてきたからこそ像を訪ねることができたのだろう」と話している。同館は毎月第1、第3日曜日に開館、写真は16日から展示する。(高田誠)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません